【2024年最新】実務者研修で免除される科目や費用は?
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現在介護職として働いている方やこれから介護職として働きたい方の中には、キャリアアップ目的や職場から受講を勧められて実務者研修の取得を考えている方も多いのではないでしょうか。
実務者研修は学歴不問、無資格で介護未経験の方でも取れる資格ですが、保有資格がない場合は研修修了までに約6ヵ月の期間がかかります。しかし、他の介護資格を取得していれば受講科目と受講費用の一部が免除され、無資格の場合よりも早く安く取得できます。
この記事では、保有資格ごとの実務者研修の免除科目と受講料金について紹介します。また受講費用の返済が免除、もしくは無料になる制度についても紹介するので、これから実務者研修の受講を考えている方はぜひご一読ください。
実務者研修の保有資格ごとの免除時間と免除科目はなに?
保有資格がない場合の実務者研修の受講時間は450時間、受講期間は約6ヶ月です。既に介護職員初任者研修(以下、初任者研修)、ホームヘルパー1級、ホームヘルパー2級、ホームヘルパー3級、介護職員基礎研修を保有している方は実務者研修の受講科目が一部免除されます。それぞれの保有資格の免除時間と受講期間は以下の通りです。
保有資格ごとの免除時間と受講時間の目安
保有資格 | 免除時間 | 受講時間 | 受講期間の目安 |
---|---|---|---|
なし | 0時間 | 450時間 | 6ヶ月 |
初任者研修 | -130時間 | 320時間 | 4ヶ月 |
ヘルパー1級 | -355時間 | 95時間 | 2ヶ月 |
ヘルパー2級 | -130時間 | 320時間 | 4ヶ月 |
ヘルパー3級 | -30時間 | 420時間 | 5ヶ月 |
介護職員基礎研修 | -400時間 | 50時間 | 1ヶ月 |
ホームヘルパー1級、ホームヘルパー2級、介護職員基礎研修は現在廃止されていますが、過去に取得した方は実務者研修の受講時間が一部免除になるのでご安心ください。
また、実務者研修のカリキュラムも保有資格ごとに一部免除されます。実務者研修の保有資格ごとのカリキュラム内容は以下の通りです。
保有資格ごとのカリキュラム
科目名称 | 時間 | 初任者研修 | ヘルパー1級 | ヘルパー2級 | ヘルパー3級 | 介護職員基礎研修 |
---|---|---|---|---|---|---|
人間の尊重と自立 | 5 | - | - | - | - | - |
社会の理解Ⅰ | 5 | - | - | - | - | - |
社会の理解Ⅱ | 30 | 〇 | - | 〇 | 〇 | - |
介護の基本Ⅰ | 10 | - | - | - | 〇 | - |
介護の基本Ⅱ | 20 | 〇 | - | - | 〇 | - |
コミュニケーション技術 | 20 | 〇 | - | 〇 | 〇 | - |
生活支援技術Ⅰ | 20 | - | - | - | - | - |
生活支援技術Ⅱ | 30 | - | - | - | 〇 | - |
介護過程Ⅰ | 20 | - | - | - | 〇 | - |
介護過程Ⅱ | 25 | 〇 | - | 〇 | 〇 | - |
介護過程Ⅲ(スクーリング) | 45 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | - |
発達と老化の理解Ⅰ | 10 | 〇 | - | 〇 | 〇 | - |
発達と老化の理解Ⅱ | 20 | 〇 | - | 〇 | 〇 | - |
認知症の理解Ⅰ | 10 | - | - | 〇 | 〇 | - |
認知症の理解Ⅱ | 20 | 〇 | - | 〇 | 〇 | - |
障害の理解Ⅰ | 10 | - | - | 〇 | 〇 | - |
障害の理解Ⅱ | 20 | 〇 | - | 〇 | 〇 | - |
こころとからだのしくみⅠ | 20 | - | - | - | 〇 | - |
こころとからだのしくみⅡ | 60 | 〇 | - | 〇 | 〇 | - |
医療的ケア(講義・スクーリング) | 50※ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
合計時間 | 450 | 320 | 95 | 320 | 420 | 50 |
引用元:厚生労働省「実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について」
実務者研修の保有資格ごとの免除費用はどれくらい?
保有資格によって実務者研修のカリキュラムが一部免除になるため、その分受講費用も一部免除となります。無資格で実務者研修を取得する場合の費用相場は12万円~15万円程ですが、保有資格やスクールによって免除される金額は異なります。以下に保有資格ごとの大体の受講料金の目安をまとめたので参考にしてください。
保有資格 | 受講料金 |
---|---|
なし | 12~15万円 |
初任者研修 | 9~12万円 |
ヘルパー1級 | 4~6万円 |
ヘルパー2級 | 9~12万円 |
ヘルパー3級 | 10~13万円 |
介護職員基礎研修 | 2~3万円 |
また、スクールごとに行っている各種キャンペーンや就業割引を利用する、ハローワークなどを利用することで実務者研修の受講費用を抑えられる場合もあります。安く実務者研修を取る詳しい方法が知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)とは?費用や期間、メリット、講座の選び方
実務者研修の費用が免除になる制度2つをご紹介!
実務者研修を受講する際、他の資格を持っていると一部科目や受講費用が免除されることが分かっていただけたかと思います。受講費用については実務者研修以外の保有資格がない方でも利用できる制度がいくつかあります。ここでは、各都道府県の社会福祉協議会が実施している「受講資金貸付制度」と、民間スクールが行っている「就業割引」について紹介します。
各都道府県の社会福祉協議会が実施する「受講資金貸付制度」
受講資金貸付制度とは、各都道府県の社会福祉協議会が実施しており、条件を満たせば借りた実務者研修の受講費用の返済が免除になる、というものです。各都道府県の社会福祉協議会によって対象や補助金額が異なるため、気になる方はご自身でお住まいの社会福祉協議会に確認しましょう。ここでは、例として東京都社会福祉協議会の「介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度」を紹介します。
東京都社会福祉協議会の「介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度」
(2023年2月10日時点)
概要 | 東京都内で介護福祉士として返還免除対象業務に2年間継続従事すれば貸付金が全額返還免除 |
---|---|
貸付額 | 20万円以内 (実務者研修施設に払う授業料、実習費、教材費等の納付金のほか、参考図書、学用品、交通費、国家試験の受験手数料等の経費に充てることができます) |
貸付期間 | 実務者研修施設の正規の修学期間 |
利子 | 無利子 |
対象者 | 実務者研修施設に在学中で、次の(1) ~(4)の要件を全て満たす方 (1) 次の①~③のいずれかを満たしていること ①東京都内に住所を有している(住民登録をしている) ②東京都内の実務者研修施設に在学している ③実務者研修施設の学生となった年度の前年度に東京都内に住所を有していた者で、かつ実務者研修施設での修学のために 東京都外に転居した (2) 申込日前日までに、介護福祉士国家試験の実務経験として認められる介護等の業務に3年以上従事した (3年以上=従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上。実務経験見込みでの申込不可) (3) 卒業後に介護福祉士として登録し、継続して(ひと月も欠けることなく)2年以上、東京都内において返還免除対象業務に 従事する意思がある (4) 他県等が実施する同種の修学資金を借りていない |
返還免除 | 次の①~④の要件を全て満たした場合、修学資金の返還債務の免除を受けることができます(※要件を満たさない場合は全額返還となります)。 ①実務者研修施設を卒業し、国家試験合格後に介護福祉士の登録を行い、 ②東京都内の指定施設等に就職し、 ③2年間継続して、 ④返還免除対象業務に従事した場合 |
※引用元:東京都社会福祉協議会「介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度のご案内」
このように実務者研修の受講資金20万円を無利子で貸してもらえ、条件を満たせば就学資金の返還債務の免除を受けられます。しかし、介護福祉士試験に合格しなくてはいけないなど利用条件は厳しく、誰もが利用できるとは限らないので注意が必要です。受講資金貸付制度に興味のある方はお住まいの都道府県の社会福祉協議会に問い合わせてみましょう。
民間スクールが実施する「就業割引制度」
受講資金の貸付や返還免除の条件に当てはまらない方もご安心ください。民間スクールが行う「就業割引」が利用できる場合があります。
「就業割引制度」とは、スクールが運営する老人ホームや訪問介護事業所に勤務することを条件に、研修・試験を無料で受けられる制度のことです。研修と就職サポートをお得に受けることができるため、資格取得後すぐに働きたい方や介護業界未経験の方に人気の制度です。また、既に介護施設・事業所に勤めている方は、福利厚生の一環として資格取得支援や費用補助が設けられている場合もあります。
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無資格の場合は先に初任者研修を取るのがおすすめ!
実務者研修の受講費用が免除になる制度をご紹介しましたが、現在「資格を持っていない+介護未経験」の方は、実務者研修から取得するよりもまずは初任者研修から取得するのをおすすめします。
初任者研修からの取得をおすすめする理由は、
- 実務者研修の450時間のカリキュラム中130時間が免除される
- 実務者研修の受講費用が安くなる
- 実務者研修は介護の経験があることを前提に進むので介護未経験の場合は難しい
からです。
初任者研修は介護を学ぶ全ての人の入門となる資格で、受講することで基本的な介護業務が行えるようになります。厚生労働省が示す介護職キャリアパスのスタート資格でもあるため、これから介護の仕事に携わる未経験の方がまず最初に取得することが望ましいとされています。上記で紹介した実務者研修の受講費用の免除制度は無資格の方でも利用できますが、基礎から介護を学びたい方は初任者研修から取得されることをおすすめします。
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)とは?費用や期間、メリット、講座の選び方
実務者研修で免除される科目や費用は?まとめ
実務者研修は既に保有している資格(初任者研修、ホームヘルパー1級、ホームヘルパー2級、ホームヘルパー3級、介護職員基礎研修)によってカリキュラムや受講費用の一部が免除になることについて解説しました。実務者研修は他の資格を持っていることでより安く早く取得できるため、既に資格を持っている方は積極的に活用しましょう。保有資格がなくても実務者研修の受講費用の返済が免除になる「受講資金貸付制度」や民間スクールが行っている「就業割引制度」もあるので、気になる方は各都道府県や民間スクールに確認しましょう。資料請求サイト『シカトル』では、「就業割引」があるスクールを多く掲載しています。お住まいの地域のスクール資料を一括で無料請求できるため、それぞれのスクールのお得な制度を比較できます。
現在無資格で介護未経験の方が実務者研修と初任者研修のどちらを先に取ると良いかというと、初任者研修を先に取ることをおすすめします。どちらも無資格、介護未経験でも取れる資格ですが、実務者研修は介護の経験がある前提でカリキュラムが進むため、介護の経験がない方は難しく感じるでしょう。そのため、介護の経験がある方は実務者研修、介護未経験の方は初任者研修から取ることをおすすめします。
実務者研修に興味がある方は、まずはお近くのスクールの資料請求をして自分に合った講座を探しましょう!
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)とは?費用や期間、メリット、講座の選び方
この記事の監修者
資格スクールを選べる比較サイト『シカトル』の編集部です。
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